オーガニックコットンと遺伝子組み換えについて

先日、遺伝子組み換え(GMO)についてお伝えしました通り、綿花もGMOの種ものが出回っています。
世界の75%の綿花がGMOのコットンになっています。
オーガニックコットンの種も同じ様な状況です。

オーガニカリーが使用しているオーガニックコットンはBioReプロジェクトのものを主に使用しており、
日本オーガニックコットン流通機構(NOC)がオーガニックコットンであるという認証を行っています。
BioReプロジェクトもNOCも遺伝子組み換えの種の使用禁止しています。

しかし、インドでは既に90%がGMOの種が席巻しています。
インドは、世界のオーガニックコットン生産量の70%を占める超大国です。
そのインドで、GMOコットンの蔓延で種の汚染が広がるとオーガニックコットンの生産量が減少し、
その減少がそのまま世界の生産量の減少を表すほどの規模になります。

一般的な種の市場の現状は、大手の種のメーカーによって魅力的なパッケージや誘導的な宣伝媒体を駆使してGMOの種の需要を喚起しています。
農民にとって種をどれに決めるかは死活問題です。多様な種類があって、メーカー各社のサービス合戦に引き込まれ、bioReプロジェクトから離れてゆく農業者も年に何人か出ます。

これに対して、bioReプロジェクトでは以下のように対応しているそうです。

・農民にオーガニック農業の意義、重要性を周知徹底させ、目標を共有する。

・コットンの種を蒔く、境界に植える植物、害虫トラップ植物、有機肥料、輪作など総合的に指導、管理して最適条件を求める。

・有機農業の可能性を農民に説いて、理解してもらう。有機農業を続ければ・家畜が増えて(財産が増える)農家の生活基盤が安定する。

・大自然の営みを妨げず、子々孫々への持続可能性がある。

・貧困問題が解決する。

さらには、GMOではない種の開発と供給に協力するなどの対応をしています。

綿花はいろいろな使い道があります。
ふわふわの綿花を摘むと白い綿毛の中に、黒い種が20~30個入っています。

この種は、綿繰り工程で繊維と分離されます。重さを測ると25%が繊維で、75%が種です。
繊維はそのままワタとして、また糸として使われます。

分離された種は次の春に植えて使います。残りの種は、食用の綿実油、その他の油剤に使われ、絞りかす(油粕)は牛の飼料などに使われます。
種の周りの短い繊維(リンター)は再生繊維のキュプラの原料や紙の原料、クッション材などの原料になります。

とても幅広く使われる綿花なので効率的にとGMOが蔓延してしまったのでしょうが、
多く使われる作物だからこそ環境に与える影響は大きいです。

出来るかぎりGMOのものを買わないようにして、在来種が増えて行くことを願います。

遺伝子組み換え(GMO)について

連日、不適切な食品表示についてのニュースが続いていて、日本の食の安全が信じられなくなってしまう今日この頃ですね。
こうまで有名店でこのような問題が出てくると、スーパーやコンビニはきちんと表示しているのか?など不安になります。

さて、そんな中、今日は遺伝子組み換え作物の現状についてお伝えしたいと思います。
遺伝子組み換えについて日本の流通規制は非常に緩いと考えられています。

遺伝子組み換えとは品種改良と違って、複数の生物の遺伝子を合体させて全く新しい生物を創造するのが遺伝子組換えです。

日本で承認され、流通している遺伝子組換え作物は、ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ジャガイモ、綿、てん菜、アルファルファ、パパイヤ、キモシンです
その他にa-アミラーゼ、リパーゼ、などの添加物も7種類ほどあります。

厚生労働省のサイトに詳しく書かれています。
また、その安全性についても書かれていますが、それを懸念する考え方もあります。
特にヨーロッパでは遺伝子組み換えの食品はほとんど流通しておらず、その規制も大変厳しいものです。
食品添加物も安全だと考えられていましたが、今では無添加が多く出回るほど摂取を控える様になって来ています。
遺伝子組み換えの食品についても、今は安全だと言っていても、将来的には人体に環境に影響が出るかもしれない未知の作物と言えます。

世界中で遺伝子組み換えの作物を多く食べているのは日本人だと考えられています。
遺伝子組み換え作物を多く作っているアメリカでも、遺伝子組み換え作物は家畜の飼料になる割合が多いのが実情のようです。

遺伝子組み換え商品の表示についても日本はとても曖昧で、不明瞭な点が多々あります。
例えば、豆腐や納豆、みそなどは遺伝子組み換え作物を使用しているかどうかの表示義務があります。
しかし、醤油やコーン油、コーンフレークなどは表示義務がありません。
したがって、醤油などで無表示の場合は遺伝子組み換え作物を使用していると考えることができます。
その他の食品でも国産肉と書かれていても数十パーセント海外の肉が混ざっていたりすることがある程、日本の食品表示は曖昧です。

では、なぜ遺伝子組み換えは産まれたのでしょう。
これは生産コストを上げて利益をあげることが目的です。
例えば、現在全世界で作付けされている遺伝子組換えダイズは、アメリカのモンサント社の除草剤耐性ダイズです。
もともと、モンサント社はラウンドアップという除草剤の会社でした。
そのラウンドアップという除草剤に耐えられる様に遺伝子操作をした種が生まれました。

ラウンドアップの除草剤で、農地の全ての雑草を根こそぎ枯らしてしまいます。そこに遺伝子組み換えされてつくられた
除草剤耐性ダイズの種をまき、成長の途中でラウンドアップ除草剤で除草します。すると、1年中雑草が生えなくなるそうです。
確かに手間がかからない方法であり、便利そうですが、なんだかおいしく無さそうです。
そして、モンサント社はラウンドアップの除草剤と除草剤耐性ダイズをセットで販売出来るので儲かります。
さらに、除草剤耐性ダイズの種はモンサント社が特許権をもっているので、独占状態です。
このように一つの企業がもうかる為だけに生まれたのが遺伝子組み換えの技術と言えます。

日本は食品自給率が非常に少ないので、遺伝子組み換え作物等の海外の食品を取り入れれば取り入れるほど、
国内の安全な食品を手に入れることが難しくなってしまうでしょう。
さらに、食品表示についても曖昧で、日本人の意識も低いので、今回の偽装食品問題を機に大きく見直してほしいですね。

次回は遺伝子組み換えとオーガニックコットンについてお伝えしたいと思います。

オーガニックコットンのすすめ〜児童労働の問題2

昨日はハロウィンでしたね。
日本でもハロウィンパレードやハロウィンパーティーが開かれ、仮装した子供を見かけるようになりました。
この後はクリスマスが待っていて、子供達は嬉しいことがたくさんです。
日本の子供達は本当に恵まれていますね。
しかし、世界にはまだまだそんな楽しみとはほど遠い生活を強いられている子供たちが沢山居ます。

以前にも触れたことがありますが、児童労働についてまた伝えたいと思います。
過去の記事はこちら→オーガニックコットンのすすめ〜児童労働の問題〜

児童労働の世界の実態はなかなか明確に改善に向かう兆しがありません。
この問題は、世界の貧困、格差と直結していて、とても一朝一夕で解決することのない根の深さがあります。
一方で有り余る資金の持って行き場に困っている国際金融機関があるかと思えば、アジア、アフリカや
南米の国々では貧困が進んで、餓死する子供たちが後を絶ちません。

現在の日本には、親の借金を被って、学校へも行かず、長時間、重労働をしている子供は一人としていません。
しかし、日本の貧しい時代には当たり前のように子供は重要な労働力でした。
明治時代、富国強兵で輸出総額の3分の一を占める生糸は重要な国策産業でした。
少女たちを、低賃金で1日14時間も働かせ、病気になっても休ませず、辛くて逃げようにも、窓には堅牢な鉄柵に阻まれるという女工哀史がいまいした。
ただ、その少女たちが大人になって、当時の感想を聞くと「家で働くより楽だ」という言葉には驚かされます。
当時の子供たちは、家でも相当厳しく働かされていたのだろうと想像できます。
このように日本でも貧しい時代には児童労働は当たり前でした。
現在は13歳未満の就労は法律で禁じられています。 (映画や演劇などの子役などは条件付きで認められている) 児童労働の問題の難しいのは、以上のように家業を手伝う子供たちを児童労働の範疇に入れるかどうか曖昧になる点です。

国際労働機関(ILO)が、貧困国の農村を調査に行くと、親が子供を隠すと云ったことは頻繁にあり、正確な数字を 掴むことさえ難しいのが現状です。
実際、児童労働の中で一番多いのは、家業と農業です。
農業プランテーションでは大半が児童労働で支えられています。
インドのコットン農場だけでも児童労働者が40万人もいると云われています。縫製工場、パン屋、 ホテル、レストラン、バス、列車、建設作業現場、ゴミ収集などあらゆる分野に及びます。
悲惨な例では、医療用メスなどの刃物の研磨の作業などで、金属粉を日常的に吸い込むので重篤な 呼吸器障害を起こす子供たちが後を絶ちません。
雇用者は、子供は、従順で大人よりも賃金は少ないので有利さを感じています。
病気が進行して子供が亡くなっても代わりはいくらでもいるので雇用者は一向に困りません。当然投資して環境を改善することはしません。便利な児童労働の味を占めると、大人の雇用を減らすようになってゆきます。
このように聞くと、どこまでも不幸が連鎖してゆく哀しい現実に突き当たります。

世界的に有名なスポーツメーカーのサッカーボールの発注先が児童労働者を使う工場だったことが公になり、轟々たる批判を受けて、急いで改善しイメージダウンを防いだことがあります。
大手企業は、何億円もの広告宣伝費を使いますが、このように悲惨な児童労働に関与したというだけで、 企業イメージを落とし何億円分の広告効果を一瞬に消してしまう可能性を恐れるようになりました。

国際労働機関(ILO)が発足して第一回総会から、児童労動をなくすよう議論され、1999年の総会では、満場一致で182号が採択されました。
児童労働を禁じるILO国際条約138号、最悪の形態の児童労働を禁じた182号があり、世界ははっきりと児童労働撲滅への意思を示しています。
2012年時点で、185加盟国中90か国が条約に批准しています。

182号は、「最悪の形態の児童労働」が規定されていて、
1.児童の売買や取引の禁止、
2・戦闘への使用を目的とした強制的、義務的徴兵禁止
3・強制、義務労働などを含むあらゆる形態の奴隷制度、または類似した慣習の禁止
4.売春、ポルノの製作、興行に関与させることの禁止
5.不正な薬物の生産や密売を目的とした児童の斡旋、供給の禁止
6.児童の健康、安全、道徳に害を及ぼすおそれがある業務の禁止
以上に違反すると刑事事件として処罰するとしています。

「最悪の形態の児童労働」の対象となる子供の数は、改善されたといっても、今この時に世界で2億1500 万人もの悲惨な状況に置かれている子供たちがいると聞かされると、絶望感に襲われます。
1ミリでも前進させるということから目を離さないことが大切です。

安く大量生産されたものの背景には児童労働や低賃金、環境汚染など様々な問題が隠されています。
私たちが出来ることはなんなのか?オーガニカリーはフェアトレードの背景のあるオーガニックコットンを出来る限り使うことにしています。
フェアトレードの商品はオーガニックコットン以外にもいろいろとあります。
そういうものを手に取る人が増えれば、悲しい想いをしている子供達が救われて行くはずです。

柔軟剤の問題

昨日のYahooのトップニュースに
『柔軟剤の「高残香」タイプで体調不良を訴える人が増加』というニュースが取り上げられていました。

柔軟剤の香りシリーズがとても流行っています。大手洗剤メーカーは売上が前年度の1.4倍に伸びたと喜んでいます。が、この柔軟剤に使われる香りで体調不良を訴える人が増えているそうです。

特にシックハウス症候群や化学物質過敏症の患者さんは電車やバスの中、近隣から来る匂いで体調不良を訴えています。

これらの香りにはアントラニル酸メチル、、ジヒドロキシジメチル安息香酸メチルなど多種類の化学物質を組み合わせた人工香料を使用しているそうです。

やはり大企業は大量生産とコスト削減で原料に化学物質を使用してしまうのですが、天然ハーブの香りを使ったり工夫したものもあります。

しかし、そもそも柔軟剤自体、お勧め出来るものとは思えません。
柔軟効果は、薄い油の膜で布地を覆うようにして、繊維の滑りを良くし、手触りを柔らかくしています。柔軟剤の主成分“陽イオン界面活性剤”は、界面活性剤の中で一番有害と言われています。皮膚表面を覆っている皮脂膜を溶かして除き、皮脂膜がとれてむき出しになった角質層のタンパク質を破壊し、変性を起こすそうです。小さな子供には使わないようにと言われています。また、分解されず、水に薄まっても毒性を失わず、いつまでも生物に害を与えてしまうとまで言われています。そこに香りの化学物質がプラスされているのですから、体に異変がでるのは当たり前とも思えます。

このようなニュースを最近良く耳にしますが、問題とされてからでは遅すぎます。
影響力の大きい大手メーカーこそお客様を裏切ることのないものづくりをしてほしいです。

オーガニック食のこだわり

昨日、高崎でアパレルと飲食を経営されているバイヤーさんが遊びに来てくれました。
毎度、手みやげを頂くのですが、今回も素敵な品々を頂戴致しました。

今回はオリジナルの焼き菓子に加えて、「米粉で作られたコメコカレー」と
「洗双糖」どちらも大変こだわった商品で、熱い説明を聞きました。

「洗双糖」は、種子島で栽培したサトウキビを原料としていて、化学的精製がされていなくビタミン・ミネラルを豊富に
含んだものです。上白糖と洗双糖の違いは違いを簡単に表現すると白砂糖は白米、洗双糖は玄米の関係に似ているようです。
着色剤・防腐剤は一切使用していないので、安心して食せます。

「米粉で作られたコメコカレー」は素材のお米自体が無農薬・無肥料で栽培されたお米です。
生産者成沢さんの娘さんがアトピーを発症して以来、「生産の現場にいる人間として真に身体に良いものの生産に携わりたい」
という想いから、「奇跡のりんご」で有名な木村さんの教えを受けて生産をスタートさせたそうです。
そのこだわりの米粉をベースに小麦粉、動物性原料、添加物は使わず植物性素材だけで作ったカレールーです。

成沢さんの想いは私達も凄く共感します。
洋服なども流行ものばかり作って、次々にお客様に購入させて、そして生産背景は化学薬品まみれで
効率とコスト重視、という流れはどうなんだろう?とアパレルをする中で私達も疑問を感じました。
ものを作る側にはお客様へと環境にそれなりの責任を持って生産しなければならないと思っています。

素材等にこだわったものづくりをしている人はみんな同じ気持ちなのでしょう。

今回いろいろなお話を伺い、食品についてももっと知識を深めたいと感じました。

オーガニックコットンのすすめ〜食物アレルギーと殺虫剤の関係〜

The Organic Centerという今年で10周年を迎えたアメリカのワシントンD・Cにあるオーガニック農業の普及機関が次の様な調査結果をこの度発表しました。

ニューヨークにあるイェシバ大学の薬学科のアルバート・エインシュタイン氏が食物アレルギーの原因物質を特定したそうです。

食物アレルギーとは食物が原因で起こるアレルギー反応です。アレルギー反応は人により様々ですが、下痢、嘔吐、腹痛などの消化器系症状、アトピー性皮膚炎、湿疹などの皮膚症状、くしゃみ、せき、などの呼吸器系症状などとして現れることがあります。

アレルギー反応の中でも、生死に関わる重篤な症状が伴うものをアナフィラキシーショックといい、原因となる物質を少量食べただけでも強いアレルゲンとなり、呼吸困難や意識不明など重篤な症状を引き起こします。最近日本でもニュース等で耳にします。

特にアメリカでは1997年から2007年にかけて18%も発祥が増えているそうで、研究も進んでいたようです。

その結果、除草剤や殺虫剤に頻繁に使用されるジクロロフェノールの高い尿素と食物アレルギーの関連を突き止めたということです。

また殺虫剤がミツバチに重大なダメージを与えているということも欧州食物安全管理EFSAが報告しています。
ミツバチの激減は農業に多くの影響を及ぼすといわれており、深刻な食糧危機を懸念する声もあります。

私達人間が真剣に考えなければならない時が もうとっくに来ているのです。

過去の「オーガニックコットンのすすめ」の記事はこちら↓

1)オーガニックコットンのすすめ~農薬が使われる様になった訳
2)オーガニックコットンのすすめ~通常の綿花の現実
3)オーガニックコットンのすすめ~静電気について
4)オーガニックコットンのすすめ~繊維の環境汚染問題

オーガニックコットンのすすめ〜児童労働の問題〜

しばらくぶりになりましたが、基本に戻った「オーガニックコットンのすすめ」のシリーズの第5回をお伝えしたいと思います。

今回の話題は通常の綿花農場で働く児童労働の問題についてです。
今までも、一般的な農産物の中で農薬を多く使用する綿花農場で働く労働者については少し触れてきました。 人体の健康被害、金銭の被害、生活環境の被害等の多くが問題となっています。

綿花は世界の繊物産品需要の約半分を占めるそうです。また、繊維以外にも綿花の油分はマーガリンや石鹸など身の回りの多くで使われています。
私達の生活になくてはならないコットンですが、生産地ではとても深刻な状況が現在も続いています。

綿花農場の経営者は利益出すことを目的に人件費の安い子供を雇います。その多くが農家の親と契約して、親の債務の為に子供を身売りします。その賃金はとても安く、大人の半分ほどと言われています。綿は背が低く、大人だとかがんでの作業となり、また手作業による人工授粉なども行う細かな作業なので、大人の手では非常に難しく、またあまりに過酷なので大人が働きたがらない仕事です。それほど過酷な作業をインドで言えば、何十万人もの児童が行っており、半数ほどが14歳以下と言われています。また、そのほとんどが女の子だそうです。
奴隷とも言える様な環境で、労働だけでなく性的虐待等を受けているケースも多くあるそうです。

そういった状況を知り、BioRe Projectなどのオーガニックコットンの世界的なフェアトレードの活動が少しずつ増えているそうですが、最近はオーガニックコットンの生産量が減って来ているので、全く安心は出来ません。
オーガニックコットンの生産量は一時、上がって来ており、綿花全体の10%を目標にしていましたが、いまだ1%に満たないほどです。

先進国では子供の服はすぐ汚れるからと言って、安い物を沢山買って、すぐゴミにしてしまうようなことがありますが、自分の子供と変わらない子供が遠い異国の地で、大変な環境の中で働いているということを思うと、物を大切にしたいという気持ちが強く湧いてきます。 また、そのような環境を改善して行きたいと母は想うのです。

過去の「オーガニックコットンのすすめ」はこちら↓
1)オーガニックコットンのすすめ~農薬が使われる様になった訳
2)オーガニックコットンのすすめ~通常の綿花の現実
3)オーガニックコットンのすすめ~静電気について 
4)オーガニックコットンのすすめ~繊維の環境汚染問題 

bioRe プロジェクト

先週、Organicallyで使用しているオーガニックコットンが作られているインド、タンザニアのプロジェクト、bioReタンザニアの最高責任者が来日したので現地の様子や視察した池内タオルの社長のお話等を伺いました。

このbioReプロジェクトはスイスのREMEI社が中心となり、1991年からインド、1994年からタンザニアで始められました。
このプロジェクトの特徴は、単にオーガニックコットンを買い取るだけではなく、この地域で暮らす人々が自立していくための様々な仕組みを構築している点です。

現在では、インドで8,000軒以上、タンザニアで2,000軒以上の契約農家を抱え、世界で最も大規模かつ、先進的なプロジェクトとして知られています。

具体的には有機農業のサポート、子供の教育支援、生産者や地域の人々の健康のためのインフラ整備、就農のための資金援助、生産者の自立支援 などです。

実際、このプロジェクトに関わる綿農家は皆ハッピーな生活を送っていることが今回のお話ですごく感じられましたが、ごくごく一部の人たちの話だと言うことも分かりました。

オーガニックコットンの生産量が締める割合は綿花全体の僅か0.7%だけなのです。
1昨年1%で目標10%ととしていた所、ダウンしているのです。

減少の原因はいくつかありようですが、大手企業などが、ブーム的に捉え、オーガニックコットンを買い占める様なことがあったのですが、今はオーガニックコットンはいろいろな取引が手間なのでやめて、農薬問題やフェアトレード問題を軽視した低価格な素材を取り入れる様になったことがあります。
コットン農家も大手企業に振り回され、意欲を失い、オーガニックコットン農業から他の作物に切り替えてしまいます。

また、遺伝子組み換えの種の普及が激しく、遺伝子組み換えでない種の入手も困難になって来ているそうです。

バスタオルを一枚作るのに20坪ものコットンが必要だというのに、大手企業は低価格化に走り、1000円以下でTシャツやデニムが作られています。これでは地球は保たないと思います。

とても貴重な話がたくさん聞けました。
我々も一時のブームで終わらず、何十年と続けられるブランドになり、地球に貢献出来たらなと思うのでした。

オーガニックコットンのすすめ~繊維の環境汚染問題

今日は繊維の汚染問題についてお話ししたいと思います。繊維関係の工場が川や自然を汚すといういわゆる公害問題は、日本でも40年位前には
当たり前のようにあった問題でした。
その後、時代が進みそのような問題はあまり耳にすることも無くなり、解決したかのように
思っていました。

しかし、グローバル・ファッション各社は、近年の過激な低価格競争に夢中になっているうちに、
一番大事なところが疎かで、恥ずかしいことが昨年、ある団体により明らかになりました。

大手ファッション企業が関連する中国の2つの繊維加工工場の廃水の水質調査をした結果、
廃水中には、残留性や生物濃縮性のある有害重金属や環境ホルモンが検出されたそうです。

更に、衣類など製品からも有害物質が検出されたそうで、身近な問題になりました。
遠いどこかの国の汚染の話ではなく、いま自分が着ている服の安全問題でもあるのです。

この問題を指摘された各社は「2020年までには、有害物質をゼロにする」とコメント
しているそうです。
ということは、今後7年はそのままの状態が続くと言うことです。
また、大きな企業は簡単に修正が出来ないということが分かります。

衣類等の製品から検出された有害物質はNEPという物質で、ノニル・フェノール・エトキ
シレートで、酸化防止剤、界面活性剤、ゴム質の劣化の防止剤として使われています。

これは、内分泌攪乱物質いわゆる環境ホルモンで、低いレベルでも食物連鎖のサイクルで
残留し濃縮される厄介な化学物質であり、川や海に住む生き物の繁殖を阻害します。
また皮膚にも影響があり時に痒疹や脱色を起すおそれがあるそうです。

グローバルな大規模生産サプライチェーンはブランドの統一的なイメージを最優先するため
同じ形、同じ色、同じ機能性を提供することを大事にしています。

それらを維持するために、化学処理を多用するのです。
コストなどのためには、環境のことなど後回しにせざるをえないということなのです。

これに対して、オーガニックコットンを始めとするオーガニックビジネスは環境を守ることを
第一に考えたものなのです。