しばらくぶりになりましたが、基本に戻った「オーガニックコットンのすすめ」のシリーズの第5回をお伝えしたいと思います。
今回の話題は通常の綿花農場で働く児童労働の問題についてです。
今までも、一般的な農産物の中で農薬を多く使用する綿花農場で働く労働者については少し触れてきました。 人体の健康被害、金銭の被害、生活環境の被害等の多くが問題となっています。
綿花は世界の繊物産品需要の約半分を占めるそうです。また、繊維以外にも綿花の油分はマーガリンや石鹸など身の回りの多くで使われています。
私達の生活になくてはならないコットンですが、生産地ではとても深刻な状況が現在も続いています。
綿花農場の経営者は利益出すことを目的に人件費の安い子供を雇います。その多くが農家の親と契約して、親の債務の為に子供を身売りします。その賃金はとても安く、大人の半分ほどと言われています。綿は背が低く、大人だとかがんでの作業となり、また手作業による人工授粉なども行う細かな作業なので、大人の手では非常に難しく、またあまりに過酷なので大人が働きたがらない仕事です。それほど過酷な作業をインドで言えば、何十万人もの児童が行っており、半数ほどが14歳以下と言われています。また、そのほとんどが女の子だそうです。
奴隷とも言える様な環境で、労働だけでなく性的虐待等を受けているケースも多くあるそうです。
そういった状況を知り、BioRe Projectなどのオーガニックコットンの世界的なフェアトレードの活動が少しずつ増えているそうですが、最近はオーガニックコットンの生産量が減って来ているので、全く安心は出来ません。
オーガニックコットンの生産量は一時、上がって来ており、綿花全体の10%を目標にしていましたが、いまだ1%に満たないほどです。
先進国では子供の服はすぐ汚れるからと言って、安い物を沢山買って、すぐゴミにしてしまうようなことがありますが、自分の子供と変わらない子供が遠い異国の地で、大変な環境の中で働いているということを思うと、物を大切にしたいという気持ちが強く湧いてきます。 また、そのような環境を改善して行きたいと母は想うのです。
過去の「オーガニックコットンのすすめ」はこちら↓
1)オーガニックコットンのすすめ~農薬が使われる様になった訳
2)オーガニックコットンのすすめ~通常の綿花の現実
3)オーガニックコットンのすすめ~静電気について
4)オーガニックコットンのすすめ~繊維の環境汚染問題