昨日はハロウィンでしたね。
日本でもハロウィンパレードやハロウィンパーティーが開かれ、仮装した子供を見かけるようになりました。
この後はクリスマスが待っていて、子供達は嬉しいことがたくさんです。
日本の子供達は本当に恵まれていますね。
しかし、世界にはまだまだそんな楽しみとはほど遠い生活を強いられている子供たちが沢山居ます。
以前にも触れたことがありますが、児童労働についてまた伝えたいと思います。
過去の記事はこちら→オーガニックコットンのすすめ〜児童労働の問題〜
児童労働の世界の実態はなかなか明確に改善に向かう兆しがありません。
この問題は、世界の貧困、格差と直結していて、とても一朝一夕で解決することのない根の深さがあります。
一方で有り余る資金の持って行き場に困っている国際金融機関があるかと思えば、アジア、アフリカや
南米の国々では貧困が進んで、餓死する子供たちが後を絶ちません。
現在の日本には、親の借金を被って、学校へも行かず、長時間、重労働をしている子供は一人としていません。
しかし、日本の貧しい時代には当たり前のように子供は重要な労働力でした。
明治時代、富国強兵で輸出総額の3分の一を占める生糸は重要な国策産業でした。
少女たちを、低賃金で1日14時間も働かせ、病気になっても休ませず、辛くて逃げようにも、窓には堅牢な鉄柵に阻まれるという女工哀史がいまいした。
ただ、その少女たちが大人になって、当時の感想を聞くと「家で働くより楽だ」という言葉には驚かされます。
当時の子供たちは、家でも相当厳しく働かされていたのだろうと想像できます。
このように日本でも貧しい時代には児童労働は当たり前でした。
現在は13歳未満の就労は法律で禁じられています。 (映画や演劇などの子役などは条件付きで認められている) 児童労働の問題の難しいのは、以上のように家業を手伝う子供たちを児童労働の範疇に入れるかどうか曖昧になる点です。
国際労働機関(ILO)が、貧困国の農村を調査に行くと、親が子供を隠すと云ったことは頻繁にあり、正確な数字を 掴むことさえ難しいのが現状です。
実際、児童労働の中で一番多いのは、家業と農業です。
農業プランテーションでは大半が児童労働で支えられています。
インドのコットン農場だけでも児童労働者が40万人もいると云われています。縫製工場、パン屋、 ホテル、レストラン、バス、列車、建設作業現場、ゴミ収集などあらゆる分野に及びます。
悲惨な例では、医療用メスなどの刃物の研磨の作業などで、金属粉を日常的に吸い込むので重篤な 呼吸器障害を起こす子供たちが後を絶ちません。
雇用者は、子供は、従順で大人よりも賃金は少ないので有利さを感じています。
病気が進行して子供が亡くなっても代わりはいくらでもいるので雇用者は一向に困りません。当然投資して環境を改善することはしません。便利な児童労働の味を占めると、大人の雇用を減らすようになってゆきます。
このように聞くと、どこまでも不幸が連鎖してゆく哀しい現実に突き当たります。
世界的に有名なスポーツメーカーのサッカーボールの発注先が児童労働者を使う工場だったことが公になり、轟々たる批判を受けて、急いで改善しイメージダウンを防いだことがあります。
大手企業は、何億円もの広告宣伝費を使いますが、このように悲惨な児童労働に関与したというだけで、 企業イメージを落とし何億円分の広告効果を一瞬に消してしまう可能性を恐れるようになりました。
国際労働機関(ILO)が発足して第一回総会から、児童労動をなくすよう議論され、1999年の総会では、満場一致で182号が採択されました。
児童労働を禁じるILO国際条約138号、最悪の形態の児童労働を禁じた182号があり、世界ははっきりと児童労働撲滅への意思を示しています。
2012年時点で、185加盟国中90か国が条約に批准しています。
182号は、「最悪の形態の児童労働」が規定されていて、
1.児童の売買や取引の禁止、
2・戦闘への使用を目的とした強制的、義務的徴兵禁止
3・強制、義務労働などを含むあらゆる形態の奴隷制度、または類似した慣習の禁止
4.売春、ポルノの製作、興行に関与させることの禁止
5.不正な薬物の生産や密売を目的とした児童の斡旋、供給の禁止
6.児童の健康、安全、道徳に害を及ぼすおそれがある業務の禁止
以上に違反すると刑事事件として処罰するとしています。
「最悪の形態の児童労働」の対象となる子供の数は、改善されたといっても、今この時に世界で2億1500 万人もの悲惨な状況に置かれている子供たちがいると聞かされると、絶望感に襲われます。
1ミリでも前進させるということから目を離さないことが大切です。
安く大量生産されたものの背景には児童労働や低賃金、環境汚染など様々な問題が隠されています。
私たちが出来ることはなんなのか?オーガニカリーはフェアトレードの背景のあるオーガニックコットンを出来る限り使うことにしています。
フェアトレードの商品はオーガニックコットン以外にもいろいろとあります。
そういうものを手に取る人が増えれば、悲しい想いをしている子供達が救われて行くはずです。