春夏のとあるプロジェクトに向けて、倉敷の職人と天然染めの色出しをしています。
天然染めは思い通りの色を出すのは大変難しく、その素材の潜在能力に頼る所が大きくなります。
今回、緑色をオリーブで試してみました。初めての試みでした。
このプロジェクトは天然染め100%が条件なので、天然染めで試してみると写真の様な
キャメル色になってしまいました。
本当は下の様な、パントーンのチップのカラーのような風合いが出せると良いのですが
とても難しいです。
この写真の様に色が再現出来ているのは反応染料という化学染料を使用している為です。
反応染料は染色中に繊維と化学的に反応し染料と繊維の間に共有結合を形成して染着する染料です。
反応染料は化学過敏症などの肌の弱い方にはNGとなる場合もあります。
しかし、ファッションとしてオーガニックコットンを取り入れたい場合や、色落ちや光による
色あせや色の変色を軽減する為には使わざる得ないところもあります。
オーガニックコットン製品でもほとんど色がついたものは反応染料を使用しているでしょう。
天然染めは色あせや太陽の光により変色することがあります。
それを風合いとして楽しんで頂きたいところですが、品質的にお取引先によって
それでは取引が難しいとされる場合もあります。
オーガニカリーでは天然染めを基本としつつ、天然染料と反応染料を用いながら
塩などの安全性の高いもので色をくっつけたり、洗いの際にはヤシ油を使用したりするなどで
出来る限り天然な仕上げを行うようにして、なるべく化学的な物が残らないよう工夫しています。
これからも様々なデザインや素材にもチャレンジして行きたいと思いますが、こういったこだわりは大切にしたいと思います。