生地づくり

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私たち、Organicallyで使用する、オーガニックコットンの今治タオル生地ができるまでの工程を一般的なパイルの生地づくりと比較しながら写真とともに詳しく説明していきます。

『生地づくりの準備』

精錬

精錬のイメージ

糸の状態で日本にやってきたコットンは、糸自体に「油」「汚れ」「におい」などが付着しています。

『精錬』とは物質の中から不純物を取り除く作業のことを言います。ここでは、糸の「油」「汚れ」「におい」と取り除く工程を行います。

特に油が糸に付着していると、タオルに仕上がった際の吸水性が大きく落ちてしまうため精錬作業はパイル生地の出来上がりを左右すると言って良いほど大切な作業工程です。

この工程を一つ取っても、使われているものが大きく異なってきます。

オーガニックコットンのタオルの場合

Organicallyのタオルはソーダ灰と天然由来のマルセル石鹸を合わせた液体を大きな釜の中に入れて不純物を取り除きます。ソーダ灰は危険有害性がなく、洗剤や入浴剤、学校のプールにも使用されている物質です。

通常のタオルの場合

精錬に劇薬指定されている苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)という触ると肌がただれるなどの刺激がかなり強い薬品を使っている場合があります。さらに生地を真っ白にしたい場合は、この段階で蛍光漂白剤を入れて漂白します。そうするとみなさんがよく目にする白いタオルが出来上がります。

糊付け

糊付けのイメージ

精錬作業により不純物が取り除かれた糸は続いて『糊付け』の工程へと進みます。

タオル生地は織る際に糸が滑らず切れてしまうのを防ぐため『糊付け』が必要です。糸を糊でコーティングするイメージです。これも、切っても切れない大切な作業です。

ここで使用する「糊」にも違いがあります。

オーガニックコットンのタオルの場合

オーガニックコットンから作られた糸は通常の糸と比べて毛羽立ちも多く大変繊細です。そこで私たちのタオルに使用する糊は口に入れても安全な小麦やコーンスターチなどから作られた“でんぷん粉”を糊として使用し、糸の強度をあげます。こうした工程一つでも赤ちゃんにおすすめできる製品へ繋がります。

通常のタオルの場合

ポバールなどの化学糊を使用します。接着剤などに使われている糊です。

『シャトル織機による
織り作業』

整経作業

整経作業のイメージ

手間暇かけてようやく使えるようになった糸をついに生地にしていく作業になります。

まずは少巻になっている糸を織機の幅に合わせて縦糸に巻き直す「整経作業」を行います。

ミシンを使う時、下糸を準備するときにボビンに巻きつける作業を行いますが、それと同じようなイメージです。いくつもの少巻の糸を使って、大きな縦糸を作り上げます。

織る

織るのイメージ

シャトル機への準備が整ったら、ようやく織る作業に移ります。いくつものタテ糸を張ったところに、ヨコ糸を走らせて織っていきます。

オーガニックコットンのタオルの場合

私たちがお世話になっている工場では、昔ながらのシャトル織機を使い続けています。1日の生産量は高速織機の1/6、ヨコ糸をシャトルに巻きつける手間など、時間も人手もかかってしまう織機ですがオーガニックコットンを生地にする上で、よりよい風合い、生地感を求めるにはなくはならない大切な存在です。職人からすると高速織機で作ったものは目がつまりしっかりはしているが柔らかさが全然違うと言います。

ゆっくりゆっくり丁寧に、空気を含みながら織るように、時間をかけて丁寧に織るから、生地も柔らかく吸水性も格段に上がり織りあがった生地にそのまま、風合いが見て取れるのです。

通常のタオルの場合

現在はエアージェットという高速織機が主流となっています。エアージェットは空気でヨコ糸を飛ばすので非常に早くて効率的です。海外などの大量生産の現場で多く使われています。しっかりとしたタオル生地が仕上がります。非常に高速なため、糸裂がしやすいので、しっかりとした糊付けが必要となります。

『仕上げ』

洗い / 乾燥

整経作業のイメージ
大きな生地をそのまま洗いにかけます
整経作業のイメージ
大きな乾燥機でゆっくりと乾燥します

一般的なイメージとして、生地は織りあがったらそれが完成!のように思えますが実は違うのです。

さらに生地を丸ごと洗い、乾燥させ、ついに生地の出来上がりとなります。

洗いの作業では生地を織り上げるために使用した糊を今度は落とす作業。『糊抜き』と言います。糊抜きを行ってから乾燥となります。乾燥、糊抜きもタオルの風合いを出すための大事な工程です。

オーガニックコットンのタオルの場合

糊付けした天然のでんぷん粉を、優しく、時間をかけて落としていきます。

完全無添加の天然石鹸と酵素を使い、更には天然水でよりふんわり柔らかく、身体にも環境にも優しく仕上がるよう工夫が施されています。酵素はバクテリアの一種で糊を分解し、タオルの風合いも良くしてくれます。

繊維業界では汚染水が世界的な問題となっていますが、Organicallyのタオルは汚染水も安全です。

一度の洗いにかかる時間は2-3時間、1日にさばける量が少ないのはこの一手間のためです。

乾燥作業もタオル地の風合いを出すために丁寧に行います。

全行程で大切にしてきたふんわり感を損なわないようにするため、乾燥機の1/3の容量、つまり最大60kg入る乾燥機のところ20kg程度に留め、最後まで生地にストレスなく仕上げています。

仕上げの作業は生地の良し悪しを決めるとても重要な工程ゆえ、最後の最後にまで職人さん達の細やかな気遣いが感じられます。

酵素のイメージ
これが酵素です。味見をしてみたら、ホットケーキミックスのような味でした!
職人さんの声1

良い酵素ほど風合いに影響があると言えますよね。吸収性は酵素とは直接関係はないと思います。あくまでも洗いの温度と時間に関わることではないかと個人的には感じています。

職人さんの声2

風合いも洗い方に影響があります。高速温度で機械的に済ませるのと(通常はこちら)時間をかけてゆっくり生地を洗うのとでは風合いは全く変わりますよ。

通常のタオルの場合

通常のパイル生地は仕上げの洗いの際、石鹸と一緒に柔軟剤や吸収剤も使用されます。

これは“見せかけのふんわり感”のために使用されるもので、結局、柔軟剤がたくさん付いていることで水を吸わない、吸水剤も洗っているうちに取れてしまう、どんどんパサパサの感触になると絵に描いたような悪循環です。

新品のタオルが水を吸わずに使えない!といった場面、きっと誰もが一度は経験しているのではないでしょうか。

『まとめ』

まとめのイメージ

化学処理をすればなんとでもできる時代。

どんなに質の悪いコットンだとしても、様々な化学処理を施せばある程度の商品が出来上がるのです。

生まれたての赤ちゃんの肌はとても繊細です。

出来る限り品質にこだわった、優しく作られたもので包み込んであげたいですね。

シャトル織機を始め、今治の工場にいくつもある機械たちは毎日のメンテナンスが欠かせません。

長年の作業で培われた勘と熟練した技術を持つ日本の職人の皆さんがいつも側でたくさんの機械音を聞き分けながら、調整しています。

私たちが自信を持ってギフトなどにも商品をおすすめしていける所はここにあります。

そんな職人さん質の思いも載せて、私たちはものづくりを続けています。

本ページにある「通常のタオル」とは主に海外で大量生産され、比較的安価なタオルのことを言っております。オーガニックコットンを使用していなくても、今治タオルなどにおいて、現在は科学的な処理を削減したり、こだわって作っているものもあります。全ての内容についてはOrganicallyが生産現場などで見聞きしてきた情報をもとにしており、本内容と違うケースも多々あるかと思います。どのような作られ方がされているか気になる場合は直接問い合わせて見ましょう。

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