オーガニックコットンのすすめ~農薬が使われる様になった訳
2018年5月1日

農薬のはじまり
化学的な殺虫剤や防虫剤が使用される様になったのは第1次世界大戦に用いられた大量殺人兵器である毒ガスの研究が始まりと言われています。
また、第二次世界大戦の後、ベトナム戦争で大量に空から散布し、今なお障害の持った子供が生まれてくる原因になった枯れ葉剤は後に、除草剤と繋がっています。
コットンについて言えば、コットンはデリケートな作物なため、種に防虫剤を散布し、耕す土壌には化学薬剤や肥料で土壌を消毒、改良します。さらに、コットンを育てながら雑草を駆除するために除草剤を散布し、コットンの葉につく虫を駆除するために殺虫剤を散布します。
収穫の時期には人工的に葉や茎を早めに枯らして、コットンの綿の品質が下がらないようにベトナム戦争と同様に枯れ葉剤を散布します。
戦争の為に作った技術をその後、利益にならないかと使い道を考えられ、不要にも関わらず農薬へと転換されてしまったのです。
農薬は土の中の虫や微生物を殺してしまうばかりでなく、それらを食べる鳥や小さな動物まで絶滅に追いやっていることもあります。有名なところでトキの絶滅はそれが原因と言われているそうです。
農業は大変重労働で、農薬のおかげで効率的に利益をあげられるようになりましたが、農薬はもともと人間を傷つけるために作られた技術。
結局、自然を傷つけ、生き物を殺してしまい、人間の健康まで害してしまっています。
収穫後もさらなる化学薬品まみれに
収穫した後にまで話を進めると、紡績する時も補助剤として化学薬剤を使用し、生地の加工には化学糊、漂白剤(真っ白にします)、化学染料、防腐加工材、柔軟仕上げ剤など、ありとあらゆる化学薬品が使われています。
肌触りが良いとうたっている生地のしっとり感は石油化学薬剤のしっとり感だったり。
そして、加工段階で使われた薬品達は、工業排水として大量に川や海に流れてゆきます。
これに対して、オーガニックコットンを始めとするオーガニック栽培は環境を守ることを第一に考えたものなのです。